多くのデスクワーク従事者が抱える腰痛や肩こり。それは長時間の座りっぱなしによるものかもしれません。しかし、そんな悩みを解決へと導く鍵が「スタンディングデスク」にあることをご存知でしょうか。身体を動かしながら効率的に仕事を行うための方法として注目を集めるスタンディングデスクは、座りすぎを防ぎ、腰痛や肩こりのリスクを減らす効果が期待されています。
先にまとめをお伝えすると、
- 日本の座位時間は世界最長の平均7時間。
- 長時間の座りっぱなしによる健康リスクが懸念されている
- スタンディングデスクを導入することで座りっぱなしを解消できる
デスクワークの弊害!日本人の座りすぎ問題
デスクワークは、現代社会において欠かせない働き方の一つです。しかし、デスクワークの弊害として、腰痛や肩こりなどの身体の不調を招く恐れがあることが指摘されています。その原因の一つが、長時間の座りっぱなしです。
日本の座位時間は世界最長の7時間
シドニー大学の世界20か国の座位時間を調査したところによると、日本人の平日の座位時間は世界平均の5時間に対して、7時間(420分)と最も長いという調査結果が報告されています。また、厚生労働省の調査でも、日本人の成人の1日の座位時間は平均6.4時間と、世界でも有数の長さであることがわかっています。
座りすぎの3つのリスクとは?
世界の中で、最も座っている時間が長いとされる日本人ですが、座りっぱなしによるリスクも指摘されています。
主なリスクとして3点あげられています。
長時間座りっぱなしでいることで、腰や肩の筋肉が緊張し、痛みを引き起こすリスクが高まると言われています。また日常生活や仕事のパフォーマンスの低下にもつながります。
座りっぱなしで血行が悪くなると、脳への血流も低下し、集中力や記憶力の低下による仕事のパフォーマンスの影響も指摘されています。また、認知症や動脈硬化・心筋梗塞などのリスクも高まるとされています。
座りっぱなしで消費カロリーが減り、摂取カロリーが増えることで高まる。肥満は、糖尿病や高血圧、心臓病などの生活習慣病の原因となると言われています。
座りっぱなしを避けるために、こまめに立ち上がって体を動かすことが大切。1時間に1回程度、5分程度のストレッチやウォーキングをすることが推奨されています。
上記ではデスクワークの弊害!日本人の座りすぎ問題について書いてきました。ここからはスタンディングデスクについてより詳しく見ていきたいと思います。
スタンディングデスクに期待される3つの効果
長時間座りっぱなしの解消方法の一つとしてスタンディングデスクが注目されています。スタンディングデスクの使用で期待される効果は以下の3つです。
①健康リスクの軽減
長時間の座りっぱなしは、腰痛、肩こり、肥満などの生活習慣病の高めることが知られています。スタンディングデスク導入し、立ったり座ったりすることで、筋肉の活動を促し、血行を改善します。これにより、これらの健康リスクを軽減する効果が期待されています。
具体的には、以下の研究データや調査データがあります。
アメリカのスタンフォード大学の研究では、1日3時間立ち仕事を行うことで、座りっぱなしの人に比べて、血糖値の上昇が抑えられることが確認されました。
スイスのチューリッヒ大学の研究では、1日2時間立ち仕事を行うことで、座りっぱなしの人に比べて、腹部脂肪の減少が促進されることが確認されました。
②生産性の向上
スタンディングデスクを導入することによって、集中力や注意力の向上につながることが期待されています。座りっぱなしの状態は、眠気を誘発し、集中力を低下させる原因となります。一方、立っている状態は、適度な緊張感があり、集中力が持続しやすくなります。
具体的には、以下の研究データや調査データがあります。
アメリカの大学の研究では、1日2時間立ち仕事を行うことで、座りっぱなしの人に比べて、認知機能(注意力、集中力、記憶力など)の向上が確認されました。
アメリカのスタンフォード大学の研究では、1日1時間立ち仕事を行うことで、コールセンターの成約率が46%向上したことが確認されました。
③コミュニケーションの活性化
スタンディングデスクは、目線の高さが高くなるため、コミュニケーションが活性化につながると期待されています。
具体的には、以下の研究データや調査データがあります。
2012年に米国の研究チームが行った調査では、スタンディングデスクを導入したオフィスでは、従業員同士の会話量が、座席配置のオフィスと比べて増加していたことが報告されています。
2017年にスウェーデンの研究チームが行った調査では、スタンディングデスクを導入したオフィスでは、従業員同士の信頼関係が、座席配置のオフィスと比べて高かったことが報告されています。
これらの研究データや調査データから、スタンディングデスクは、長い座位時間を解消し、健康面や生産性、コミュニケーションの面で良い効果をもたらす可能性があることが示唆されています。
スタンディングデスクの5つの選び方
スタンディングデスクは、座りっぱなしのデスクワークから立ち仕事に切り替えることで、腰痛・肩こりなど
身体の負担を軽減し、健康的な姿勢を保つことができます。スタンディングデスクを選ぶ際には、
以下のポイントを押さえておきましょう。
スタンディングデスクの選び方①高さで選ぶ
スタンディングデスクは、座ったときと立ったときの両方で快適に作業できる必要があります。一般的に、座ったときの机の高さは70cm前後、立ったときの机の高さは90cm前後が目安です。
身長 | 座った時の机の高さ | 座った時の机の高さ |
---|---|---|
150cm | 65cm | 85cm |
160cm | 70cm | 90cm |
170cm | 75cm | 95cm |
180cm | 80cm | 100cm |
190cm | 85cm | 105cm |
スタンディングデスクの選び方②昇降方式で選ぶ
スタンディングデスクの昇降方式には、手動式と電動式の2種類があります。手動式は比較的安価ですが、昇降に手間がかかります。電動式は高さ調整が簡単ですが、手動式に比べて価格が高くなります。
昇降方式 | 価格 | 高さ調整 |
電動式 | 高め | 簡単 |
手動式 | 比較的安い | 昇降に手間 |
スタンディングデスクの選び方③サイズで選ぶ
スタンディングデスクのサイズは、作業スペースや設置場所に合わせて選ぶ必要があります。一般的に、デスクの奥行きは70cm前後、幅は120cm前後が目安です。
スタンディングデスクの選び方④機能・デザインで選ぶ
引き出しや棚などの収納スペースが付いているものもあります。収納スペースがあると、デスク周りをすっきりと整理整頓することができます。またデザインも様々なタイプの色があり、長方形やカーブ型など様々な種類があります。
スタンディングデスクの選び方⑤価格で選ぶ
スタンディングデスクの価格は、機能やサイズによって大きく異なります。スタンディングデスクは長く使うものなので、安いからといって安易に選ばず、よーく考えてご自身にあったものを選びましょう。
まとめ
今回の記事のまとめは以下の通りです。
- 日本の座位時間は世界最長の平均7時間。
- 長時間の座りっぱなしによる健康リスクが懸念されている
- スタンディングデスクを導入することで座りっぱなしを解消できる